专利摘要:
ポリカーボネートまたはポリカーボネートブレンド樹脂、非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ、炭素含有相乗剤、例えばカーボンブラック、および任意成分として補強充填剤を含む難燃性熱可塑性組成物。該組成物は、ハロゲン化材料の使用を制限する規制に適合しながら、高い耐衝撃性、改善された難燃特性、および/または、射出成形の際の良好な加工性(すなわち、成形性)を与える。例えば、これらの組成物を用いて、耐燃性という利点を有しかつ/または使用中もしくは輸送中に予想外の衝撃が生じたときに破壊しない物品に用いられる、大きいまたは複雑な部分を射出成形することができる。
公开号:JP2011513546A
申请号:JP2010549246
申请日:2009-03-09
公开日:2011-04-28
发明作者:ビアージョ バンフィ、;カメラ、;ドメニコ ラ
申请人:サビック イノベーティブ プラスチックス イーペー ベスローテン フェンノートシャップ;
IPC主号:C08L69-00
专利说明:

[0001] 本発明は、熱可塑性組成物、特に、難燃性、衝撃強度および/または成形性が改善された熱可塑性組成物に関する。本発明はまた、これらの組成物を製造する方法、およびこれらの組成物を含む物品に関する。]
背景技術

[0002] ポリカーボネートは、自動車部品から電子機器に至るまでの広範囲の用途に用いる物品および構成要素の製造に有用である。ポリカーボネートは特に電子的用途に広く用いられるため、難燃性であるポリカーボネートを提供することが望ましい。ポリカーボネートと共に用いられる多くの公知の難燃剤は、臭素および/または塩素を含有する。臭素化難燃剤および/または塩素化難燃剤は、これら難燃剤から生じる不純物および/または副生成物がポリカーボネートの製造および使用に関係する装置を腐食する可能性があるため、あまり望ましくない。また、臭素化難燃剤および/または塩素化難燃剤は、規制上の制限が増加している。]
[0003] 種々の充填剤、リン含有化合物、およびある種の塩を含む、ポリカーボネート用の非ハロゲン化難燃剤が提案されている。しかし、これらの難燃剤を用いる場合、特に薄い試料において、臭素化難燃剤および/または塩素化難燃剤を用いなければ、難燃性の最も厳しい規格を満たすことは困難であった。]
[0004] ポリカーボネートは、耐衝撃性の熱可塑性樹脂であることも公知である。しかし、ポリカーボネートは、本質的に可燃性である。ポリカーボネートの燃焼特性を改善するための種々の添加物が知られている。いくつかの添加物は、塩素および臭素を含有する物質の使用を制限する厳しい環境法に適合できるため、商業的に非常に価値がある。これらの添加物のうち可能性のある一分類としてスルホン酸塩が挙げられ、特に、ライマー塩(RM塩)としても公知であるパーフルオロブタンスルホン酸カリウム(化学式CF3−CF2−CF2−CF2−SO3-K+で表わされる)、およびビフェニルスルホン酸カリウム(化学式(C6H6)−SO−(C6H5)−SO3-K+で表わされる)が挙げられる。スルホン酸塩は、配合物に強い難燃特性を与えるには不十分な場合があり、他の添加物と組み合わせて用いられることが多い。スルホン酸塩と他の添加物との組合せは、難燃剤パッケージと呼ばれている。]
[0005] 例えば、タルクをスルホン酸塩と組み合わせて用いることにより、スルホン酸塩の燃焼特性を向上させることが報告されている。しかし、タルクは、最終組成物の耐衝撃性に対してかなりの悪影響を及ぼす。ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)が、ポリカーボネート中にブレンドされたスルホン酸塩の難燃特性を向上させ得ることも公知である。しかし、PTFEの添加は、化合物の粘度を増大させ、ひいては成形性を低下させる。]
[0006] したがって、難燃特性を有さない熱可塑性材料に匹敵する衝撃強度および/または成形性特性を与えながらも改善された難燃特性を示す熱可塑性材料を提供することが有利である。また、難燃特性を有さない熱可塑性材料に匹敵する衝撃強度および/または成形性特性を与えながらも改善された難燃特性を示す熱可塑性材料を含む物品を提供することも有利である。さらに、難燃特性を有さない熱可塑性材料に匹敵する衝撃強度および/または成形性特性を与えながらも改善された難燃特性を示す熱可塑性材料を製造する方法を提供することも有利である。]
[0007] 本発明は、難燃性、衝撃強度および/または成形性が改善された熱可塑性組成物を提供する。本発明の組成物は、ポリカーボネートまたはポリカーボネートブレンド樹脂、非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ、炭素含有相乗剤、および任意成分として補強充填剤を含み、ハロゲン化材料の使用を制限する規制に適合しながら、高い耐衝撃性、改善された難燃特性、および/または射出成形の際の良好な加工性(すなわち成形性)をもたらす。これらの組成物は種々の系に用いられて、例えば、耐燃性という利点を有しかつ/または使用中もしくは輸送中に予想外の衝撃が生じたときにも破壊しない物体に用いられる、大きいまたは複雑な部分の射出成形に用いることができる。]
[0008] したがって、一態様において、本発明は、熱可塑性樹脂30〜99重量%;スルホン酸塩を含む非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ10%重量以下;およびカーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ、膨脹黒鉛、またはこれらの炭素含有相乗剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される炭素含有相乗剤0.05〜10重量%を含む熱可塑性組成物であって;その成形試料が、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ3.0mmで燃焼等級V0を達成できる熱可塑性組成物を提供する。]
[0009] 別の態様において、本発明は、熱可塑性組成物を製造する方法であって、熱可塑性樹脂30〜99重量%、スルホン酸塩を含む非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ10%以下、およびカーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ、膨脹黒鉛、またはこれらの炭素含有相乗剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される炭素含有相乗剤0.05〜10重量%をブレンドする工程を含み;熱可塑性組成物の成形試料が、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ3.0mmで燃焼等級V0を達成できる方法を提供する。]
[0010] 更に別の態様において、本発明は、熱可塑性樹脂30〜99重量%、スルホン酸塩を含む非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ10%以下、およびカーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ、膨脹黒鉛、またはこれらの炭素含有相乗剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される炭素含有相乗剤0.05〜10重量%を含む組成物を含む製品であって;熱可塑性組成物の成形試料が、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ3.0mmで燃焼等級V0を達成できる製品を提供する。]
[0011] 本発明を、説明のみを目的とする以下の発明の詳細な説明および例においてさらに詳しく記載する。したがって、ここで多くの改変および変更が当業者に明らかになるであろう。本明細書および特許請求の範囲で用いられる用語「含む」は、「からなる」および「本質的からになる」の実施形態を含む。本明細書に開示する全ての範囲は、端点を含み、独立して組合せ可能である。本明細書に開示する範囲の端点および任意の値は、明確な範囲または値に限定されず、これらの範囲および/または値の近似値を含む。]
[0012] 本明細書で用いられる近似的な用語は、関係する基本的機能に変化をもたらすことなく変動することができる任意の量的表示を改変することができるように適用される。したがって、「約」および「実質的」などの用語によって改変される値は、特定された明確な値に限定されない場合があり得る。少なくとも一部の例において、近似的な用語は、値を測定するための器具の精度に対応する場合がある。]
[0013] 本発明は、ハロゲン化材料の使用を制限する規制に適合しながら、改善された耐燃性、高い耐衝撃性、射出成形の際の良好な加工性(すなわち成形性)を与える、ポリカーボネートまたはポリカーボネート混合樹脂を含有する熱可塑性配合物を提供する。多くの従来技術の材料とは対照的に、本発明の組成物は、衝撃強度および/または成形性がより低いということには苦しめられない。例えば、これらの配合物を用いて、耐燃性という利点がありかつ/または使用中もしくは輸送中に予想外の衝撃が生じたときに破壊しない物体に用いられる、大きいまたは複雑な部分の射出成形に用いることができる。]
[0014] 本発明は、良好な耐衝撃性および/または成形性を示しながら、非臭素化かつ非塩素化の難燃性である熱可塑性組成物に関する。本発明においては、例えば、スルホン酸塩、またはスルホン酸塩とPTFEなどの難燃性物質と組み合わせて用いられるときに、難燃特性の改善が見られる添加物が用いられる。メカニズムは解明されていないが、この相乗効果によって、他の難燃性物質の使用量を少なくすることができ、その結果、難燃剤パッケージ中に存在する他の物質が組成物に及ぼす悪影響が低減されるため、改善された難燃特性、および/または良好な成形性、および/または良好な耐衝撃性を同時に有する最終化合物が製造される。一実施形態において、相乗効果を与える添加物は、カーボンブラック(CB)である。]
[0015] 本発明の組成物は、熱可塑性樹脂、非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ、およびカーボンブラック、ならびに任意成分として補強剤を含む。カーボンブラック、および非臭素化、非塩素化難燃剤パッケージ等の炭素含有相乗剤の熱可塑性組成物への添加は、衝撃強度を維持し、また射出成形のシステムおよび/または方法等において組成物を加工できるように十分な粘度を維持しながら、組成物に難燃特性を付与する働きをすることが見出された。]
[0016] したがって、一態様において、本発明の熱可塑性組成物は、有機ポリマーを含む熱可塑性樹脂を含む。この熱可塑性樹脂は、組成物の基材として選択される。本発明において用いることができる熱可塑性樹脂の例として、ポリカーボネートおよびポリカーボネート混合樹脂が挙げられるが、これに限定されない。]
[0017] したがって、一実施形態において、ポリカーボネートを組成物における熱可塑性材料として用いることができる。芳香族カーボネート鎖単位を含むポリカーボネートとして、式(I)の構造単位を有する組成物が挙げられる:



式中、R1基は、芳香族、脂肪族または脂環式基である。有利には、R1は、芳香族有機基であり、代替の実施形態においては、式(II)の基である:



式中、A1およびA2は、それぞれ、二価の単環式アリール基であり、Y1は、A1をA2から隔離する0、1、または2個の原子を有する架橋基である。例示的な実施形態において、A1をA2から隔離する原子は1個である。この種の基の実例は、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O2)−、−C(O)−、メチレン、シクロヘキシル−メチレン、2−[2,2,1]−ビシクロヘプチリデン、エチリデン、イソプロピリデン、ネオペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロペンタデシリデン、シクロドデシリデン、アダマンチリデンなどである。別の実施形態において、A1をA2から隔離する原子は0個であり、実例はビスフェノールである。架橋基Y1は、炭化水素基または飽和炭化水素基、例えばメチレン、シクロヘキシリデンまたはイソプロピリデンであり得る。]
[0018] ポリカーボネートは、カーボネート前駆体とジヒドロキシ化合物とのショッテンバウマン(Shotten−Bauman)界面反応によって製造することができる。典型的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどの水性塩基を、ジヒドロキシ化合物を含有する水非混和性の有機溶媒、例えばベンゼン、トルエン、二硫化炭素、またはジクロロメタンと混合する。一般には相間移動剤を用いて反応を促進させる。分子量調節剤を単独または反応体混合物と混合して添加することができる。また、記載の分枝剤を、単独または混合して添加することもできる。]
[0019] ポリカーボネートを、A1とA2とを隔離する原子が唯1個であるジヒドロキシ化合物などの界面反応のポリマー前駆体によって製造することができる。本明細書において、用語「ジヒドロキシ化合物」には、例えば、以下のような一般式(III)を有するビスフェノール化合物が含まれる。



式中、RaおよびRbは、それぞれ独立に水素、ハロゲン原子、または一価の炭化水素基を表し、pおよびqは、それぞれ独立して0〜4の整数であり、Xaは、式(IV)の基のうちの一つを表す。



式中、RcおよびRdは、それぞれ独立に水素原子または一価の線状もしくは環状の炭化水素基を表し、Reは二価の炭化水素基である。]
[0020] 式(IV)によって表すことができるビスフェノール化合物の種類の例として、ビス(ヒドロキシアリール)アルカン系、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(もしくはビスフェノール−A)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパンなど;ビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン系、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなど、またはこれらのビスフェノール化合物の少なくとも1種を含む組合せが挙げられる。]
[0021] 式(III)によって表すことができる他のビスフェノール化合物として、Xが−O−、−S−、−SO−または−SO2−であるものが挙げられる。そのようなビスフェノール化合物のいくつかの例は、ビス(ヒドロキシアリール)エーテル、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテルなど;ビス(ヒドロキシジアリール)スルフィド、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドなど;ビス(ヒドロキシジアリール)スルホキシド、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドなど;ビス(ヒドロキシジアリール)スルホン、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンなど;またはこれらのビスフェノール化合物の少なくとも1種を含む組合せである。]
[0022] ポリカーボネートの重縮合に利用することができる他のビスフェノール化合物は、式(V)によって表される:



式中、Rfは、炭素原子数が1〜10である炭化水素基のハロゲン原子、またはハロゲン置換炭化水素基であり;nは0〜4の値である。nが少なくとも2であるとき、Rfは同一または異なり得る。式(IV)によって表すことができるビスフェノール化合物の例は、レゾルシノール、置換レゾルシノール化合物、例えば3−メチルレゾルシン、3−エチルレゾルシン、3−プロピルレゾルシン、3−ブチルレゾルシン、3−t−ブチルレゾルシン、3−フェニルレゾルシン、3−クミルレゾルシン、2,3,4,6−テトラフルオロレゾルシン、2,3,4,6−テトラブロモレゾルシンなど;カテコール、ハイドロキノン、置換ハイドロキノン、例えば3−メチルハイドロキノン、3−エチルハイドロキノン、3−プロピルハイドロキノン、3−ブチルハイドロキノン、3−t−ブチルハイドロキノン、3−フェニルハイドロキノン、3−クミルハイドロキノン、2,3,5,6−テトラメチルハイドロキノン、2,3,5,6−テトラ−t−ブチルハイドロキノン、2,3,5,6−テトラフルオロハイドロキノン、2,3,5,6−テトラブロモハイドロキノンなど;またはこれらのビスフェノール化合物の少なくとも1種を含む組合せである。]
[0023] ビスフェノール化合物、例えば、以下の式(VI)によって表される2,2,2’,2’−テトラヒドロ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1、1’−スピロビ−[IH−インデン]−6,6’−ジオールを用いることもできる。]
[0024] 一実施形態において、ビスフェノール化合物はビスフェノールAである。]
[0025] 典型的なカーボネート前駆体として、ハロゲン化カルボニル、例えば塩化カルボニル(ホスゲン)、および臭化カルボニル;ビス−ハロホルメート、例えば、ビスフェノールA、ハイドロキノンなどの二価フェノールのビスハロホルメート、ならびにエチレングリコールおよびネオペンチルグリコールなどのグリコールのビスハロホルメート;ならびにジアリールカーボネート、例えばジフェニルカーボネート、ジ(トリル)カーボネート、およびジ(ナフチル)カーボネートが挙げられる。一実施形態において、界面反応のためのカーボネート前駆体は、塩化カルボニルである。]
[0026] ホモポリマーよりもむしろカーボネートコポリマーが選択されて使用される場合には、2種以上の異なる二価フェノールの重合から得られるポリカーボネート、あるいは二価フェノールと、グリコール、ヒドロキシ−もしくは酸末端ポリエステル、二塩基酸、ヒドロキシ酸、または脂肪族二酸とのコポリマーを使用することもできる。一般には、有用な脂肪族二酸の炭素原子数は約2〜約40である。有利な脂肪族二酸はドデカン二酸である。]
[0027] 分枝状ポリカーボネート、ならびに線状ポリカーボネートと分枝状ポリカーボネートとのブレンドもまた組成物に用いることができる。分枝状ポリカーボネートは、重合の間に分枝剤を添加することによって調製することができる。これらの分枝剤は、少なくとも3個の官能基を含有する多官能有機化合物を含むことができ、ヒドロキシル、カルボキシル、無水カルボン酸、ハロホルミル、およびこれらの分枝剤の少なくとも1種を含む組合せであり得る。具体例として、トリメリット酸、無水トリメリット酸、トリメリット酸三塩化物、トリス−p−ヒドロキシフェニルエタン、イサチン−ビス−フェノール、トリスフェノールTC(1,3,5−トリス((p−ヒドロキシフェニル)イソプロピル)ベンゼン)、トリスフェノールPA(4(4(1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−エチル)α,α−ジメチルベンジル)フェノール)、4−クロロホルミルフタル酸無水物、トリメシン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸など、またはこれらの分枝剤の少なくとも1種を含む組合せが挙げられる。分枝剤は、所定の層におけるポリカーボネートの全重量を基準にして約0.05〜約2.0重量%のレベルで添加することができる。]
[0028] 一実施形態において、ポリカーボネートを、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの間の溶融重縮合反応によって製造することができる。ポリカーボネートの製造に利用できる炭酸ジエステルの例は、ジフェニルカーボネート、ビス(2,4−ジクロロフェニル)カーボネート、ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)カーボネート、ビス(2−シアノフェニル)カーボネート、ビス(o−ニトロフェニル)カーボネート、ジトリルカーボネート、m−クレシルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ビス(メチルサリチル)カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなど、またはこれらの炭酸ジエステルの少なくとも1種を含む組合せである。一実施形態において、炭酸ジエステルは、ジフェニルカーボネートまたはビス(メチルサリチル)カーボネートである。]
[0029] ポリカーボネートの数平均分子量は、3,000〜1,000,000g/モルであることが好ましい。この範囲内において、数平均分子量は、一実施形態では10,000以上、別の実施形態では20,000以上、更に別の実施形態では25,000g/mol以上であることが好ましい。また、数平均分子量は、一実施形態では100,000以下、他の実施形態では75,000以下、また別の実施形態では50,000以下、更に別の実施形態では35,000g/mol以下であることが好ましい。]
[0030] 本発明の熱可塑性組成物に添加される熱可塑性樹脂の量は、熱可塑性組成物ならびに該組成物から製造される成形品の選択された特性を基にすることができる。他の因子として、用いられる難燃剤の量および/もしくは種類、用いられる補強剤の量および/もしくは種類、ならびに/または、熱可塑性組成物中の他の構成成分の量および有無が挙げられる。一実施形態において、熱可塑性樹脂は、30〜99重量%の量で存在する。別の実施形態において、熱可塑性樹脂は、50〜99重量%の量で存在する。さらに別の実施形態において、熱可塑性樹脂は、60〜80重量%の量で存在する。]
[0031] 本発明の組成物はまた、熱可塑性樹脂に加えて、スルホン酸塩を含有する非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージも含む。記載したように、難燃剤パッケージは、本発明の組成物ならびにこれらの組成物を用いて製造される任意の物品に難燃特性を与える。また、炭素含有相乗剤が添加された場合には、熱可塑性組成物を用いて、UL94垂直燃焼試験、特にUL94規格V0等級に合格する難燃性物品を製造することができるように、難燃剤パッケージが選択される。尚、UL94規格V0等級は、UL94規格V1等級よりも厳しい等級であり、UL94規格V1等級はUL94規格V2等級よりも厳しい等級である。また、試料が薄いほど、ある一定の難燃性等級を達成するのがより困難になることに留意すべきである。薄い物品の製造に好適な組成物はより高い流動性を必要とするので、薄い物品はUL94試験において、特別の難問を生じさせる。本発明においては、相乗剤が難燃特性を向上させるので、より良好な難燃性等級を達成するのに必要とされる難燃剤パッケージの量は少ない。また、多くの難燃剤は、組成物の流動性に悪影響を及ぼす可能性があるので、相乗剤の使用によって、易加工性でありながらもUL94規格V0等級を満たすことができる組成物の提供が促進される。]
[0032] 一実施形態において、本発明の組成物は、難燃剤パッケージを用いる。この難燃剤パッケージは、スルホン酸塩のみ、またはスルホン酸塩と他の構成成分との組み合わせを、含むことができる。代替の実施形態において、スルホン酸塩と一緒に、例えば、タルク、PTFE、またはタルクとPTFEとの組合せなどの追加の構成成分を含むことができる。]
[0033] 本発明の熱可塑性組成物から製造される試料は、UL94試験規格を用いて判定されるように、非常に良好な難燃特性を有する。この規格を利用して、熱可塑性組成物から所定の厚さの成形品が製造される。一実施形態において、熱可塑性組成物の成形試料は、厚さ3.0mm(±10%)でUL94規格V0等級を達成できる。代替の実施形態において、熱可塑性組成物の成形試料は、厚さ1.5mm(±10%)でUL94規格V0またはV1等級を達成できる。更に別の実施形態において、熱可塑性組成物の成形試料は、厚さ1.2mm(±10%)でUL94規格V0またはV1等級を達成できる。また別の実施形態において、熱可塑性組成物の成形試料は、厚さ1.0mm(±10%)でUL94規格V0またはV1等級を達成できる。]
[0034] 本発明の熱可塑性組成物に添加される難燃剤パッケージの量は、熱可塑性組成物ならびにこれらの組成物から製造される成形品の選択された特性を基にすることができる。他の因子として、用いられる熱可塑性樹脂の量および/もしくは種類、用いられる難燃剤の量および/もしくは種類、用いられる補強剤の量および/もしくは種類、ならびに/または、熱可塑性組成物中の他の構成成分の量および有無が挙げられる。しかし、記載したように、難燃剤パッケージに用いることができるある種の構成成分は、組成物の選択された特性に悪影響を及ぼす可能性がある。例えば、タルクは、衝撃特性に悪影響を及ぼす可能性があるが、PTFEは、粘度(およびしたがって成形性)に悪影響を及ぼす可能性がある。その結果として、難燃剤パッケージの使用量を少なくすると、用いられる難燃剤が少ないので、得られる組成物は良好な難燃特性を有しないが、選択された物理的パラメータの維持に役立つ可能性がある。しかし、組成物の難燃特性に対するカーボンブラックの相乗的効果により、依然として良好な難燃特性を達成することができる。したがって、一実施形態において、難燃剤パッケージは、0.01〜10重量%の量で存在する。別の実施形態において、難燃剤パッケージは、0.05〜5重量%の量で存在する。さらに別の実施形態において、難燃剤パッケージは、0.1〜3重量%の量で存在する。全ての重量%は、熱可塑性組成物の合計重量を基準とする。]
[0035] 本発明の熱可塑性組成物は、熱可塑性樹脂およびスルホン酸塩系難燃剤パッケージに加えて、炭素含有相乗剤、例えばカーボンブラック、黒鉛、膨脹黒鉛、カーボンナノチューブ、またはこれらの組合せを含む。炭素系物質および難燃剤パッケージを含有する組成物の難燃特性が向上する。これにより、難燃剤パッケージの使用量を少なくすることができ、ひいては、改善された低燃焼性、良好な成形性および/または良好な耐衝撃性を同時に有する最終化合物を得ることができる。]
[0036] したがって、炭素含有相乗剤および難燃剤パッケージの使用により、熱可塑性組成物の成形試料は、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ3.0mmで燃焼等級V0を達成できる。本明細書において、「燃焼等級を達成できる」とは、組成物が0.900以上の初回合格率(「p(FTP)」)を示すことを意味する。これは、成形試料が所定のUL94等級において90%以上の確率で合格することが予測されていることを意味する。p(FTP)は、米国特許第6,308,142号に開示の方法にしたがって計算することができる。代替の実施形態において、熱可塑性組成物の成形試料は、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ1.5mmで燃焼等級V0またはV1を達成できる。]
[0037] 一実施形態において、炭素含有相乗剤は、カーボンブラックであり、純粋な形態で添加される。別の実施形態において、炭素含有相乗剤は、マスターバッチの形態で化合物に添加されるカーボンブラックである。別の実施形態において、マスターバッチは、CB50%およびエチレンビニルアセテートコポリマー(EVA)50%を含有する。EVAは可燃性であり得るが、難燃剤を減少させた場合においても、難燃性組成物を依然として製造できることに注意されたい。]
[0038] 単独またはマスターバッチの一部として添加される炭素含有相乗剤の量は、熱可塑性組成物の選択された特性の確保に役立ちながらも、難燃剤および任意の無機充填剤の分散を可能にするのに十分役立つ。一実施形態において、炭素含有相乗剤の添加量は、組成物の全重量の0.05〜10重量%である。別の実施形態において、炭素含有相乗剤の添加量は、組成物の全重量の0.1〜5重量%である。さらに別の実施形態において、炭素含有相乗剤の添加量は、組成物の全重量の0.05〜3重量%である。]
[0039] より少ない量の難燃剤パッケージを用いることで、炭素含有相乗剤の使用に起因する優れた難燃特性をなお維持しながら、組成物の機械特性に対する難燃剤の有害な作用を最小にすることができる。結果として、一実施形態において、本発明の組成物のISO180によって測定されるノッチなしアイゾッド衝撃強度は、難燃剤パッケージを含まない組成物の衝撃強度の少なくとも90%である。別の実施形態において、本発明の組成物のISO180によって測定されるノッチなしアイゾッド衝撃強度は、難燃剤パッケージを含まない組成物の衝撃強度の少なくとも95%である。]
[0040] 代替の実施形態において、本発明の組成物は、任意成分として補強剤を含む。好適な充填剤または補強剤として、例えば、繊維、例えばアスベスト、炭素繊維など;ケイ酸塩およびシリカ粉末、例えば、ケイ酸アルミニウム(ムライト)、合成ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、溶融シリカ、結晶性シリカグラファイト、天然ケイ砂など;ホウ素粉末、例えば窒化ホウ素粉末、ホウ素ケイ酸塩粉末など;アルミナ;酸化マグネシウム(マグネシア);硫酸カルシウム(その無水物、二水和物、または三水和物として);炭酸カルシウム、例えばチョーク、石灰石、大理石、合成沈澱炭酸カルシウムなど;繊維状、モジュール状、針状、層状タルクなどを含めたタルクなど;珪灰石;表面処理珪灰石;ガラス球、例えば中空および中実ガラス球、ケイ酸塩球、セノスフェア、アルミノケイ酸塩(アルモスフェア)など;硬質カオリン、軟質カオリン、焼成カオリン、ポリマーマトリクス樹脂との相溶性を促進するために当該分野で公知の種々のコーティングを含むカオリンを含めたカオリンなど;単結晶繊維または「ウィスカー」、例えば炭化ケイ素、アルミナ、炭化ホウ素、鉄、ニッケル、銅など;ガラス繊維(連続繊維および短繊維を含む)、例えばE、A、C、ECR、R、S、D、およびNEガラスならびに石英など;スルフィド、例えば硫化モリブデン、硫化亜鉛など;バリウム化合物、例えばチタン酸バリウム、バリウムフェライト、硫酸バリウム、重晶石など;金属および金属酸化物、例えば粒子状または繊維状のアルミニウム、青銅、亜鉛、銅およびニッケルなど;フレーク状充填剤、例えばガラスフレーク、フレーク状炭化ケイ素、二ホウ化アルミニウム、アルミニウムフレーク、スチールフレークなど;繊維状充填剤、例えば無機短繊維、例えば、ケイ酸アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、および硫酸カルシウム半水和物のうちの少なくとも1種を含むブレンドに由来するものなど;天然充填剤および補強剤、例えば、木を粉砕することによって得られる木粉、繊維製品、例えばセルロース、木綿、サイザル、ジュート、デンプン、コルク粉、リグニン、粉砕ナッツ殻、コーン、もみ殻など;例えばポリ(エーテルケトン)、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリエステル、ポリエチレン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル樹脂、ポリ(ビニルアルコール)などの、繊維形成可能な有機ポリマーから製造される、有機繊維による補強性充填剤;ならびに追加の充填剤および補強剤、例えばマイカ、クレー、長石、煙道ダスト、フィライト、石英、ケイ岩、パーライト、トリポリ、珪藻土、カーボンブラックなど、またはこれらの充填剤もしくは補強剤の少なくとも1種を含む組合せが挙げられる。]
[0041] 充填剤および補強剤をシランで表面処理して、ポリマーマトリクス樹脂との接着性および分散性を改善することができる。また、補強充填剤をモノフィラメントまたはマルチフィラメント繊維の形態で提供することができ、単独で、あるいは、例えば、共織もしくはコア/シース構造、サイドバイサイド構造、オレンジ型構造もしくはマトリクスおよびフィブリル構造で、または繊維製造の当業者に公知の方法によって他の種類の繊維と組み合わせて用いることができる。好適な共織構造として、例えば、ガラス繊維−炭素繊維、炭素繊維−芳香族ポリイミド(アラミド)繊維、および芳香族ポリイミド繊維−ガラス繊維などが挙げられる。繊維状充填剤を、例えば、例えば0〜90度の織物などの粗紡、織り繊維補強剤;不織繊維補強剤、例えば連続ストランドマット、短ストランドマット、薄い織物、紙およびフェルトなど;または三次元補強剤、例えば編組み;の形態で供給することができる。]
[0042] 熱可塑性組成物に用いられる補強剤の量は、限定されないが、以下に挙げる1以上の因子に依る:用いられる熱可塑性樹脂、用いられる難燃剤の種類、および/または他のいずれかの添加物もしくは充填剤の有無。一実施形態において、補強剤の添加量は、熱可塑性組成物の0.5〜60重量%である。別の実施形態において、補強剤の添加量は、熱可塑性組成物の5〜50重量%である。さらに別の実施形態において、補強剤の添加量は、熱可塑性組成物の10〜40重量%である。]
[0043] 本発明の熱可塑性組成物は、塩素および臭素、特に塩素系および臭素系の難燃剤を本質的に含まない。本明細書において「塩素および臭素を本質的に含まない」とは、塩素、臭素、および/または、塩素もしくは臭素の含有材料を意図的に添加することなく製造される材料をいう。しかし、複数の製品を加工する設備においては、ある一定量の交差汚染が発生して、重量基準で典型的にはppmレベルの臭素および/または塩素がもたらされることが理解される。この理解により、臭素および塩素を本質的に含まないとは、臭素および/または塩素含量が100重量ppm以下、または75重量ppm以下、または50重量ppm以下であると定義できることを容易に認識することができる。この定義が難燃剤に適用されるとき、上記含量は、難燃剤の合計重量を基準とする。この定義が熱可塑性組成物に適用されるとき、上記含量は、熱可塑性樹脂、無機充填剤、難燃剤および炭素繊維の合計重量を基準とする。]
[0044] 本発明の熱可塑性組成物は、熱可塑性樹脂、難燃剤、任意成分としての無機充填剤および炭素含有相乗剤に加えて、この種の樹脂組成物に通常混入される種々の添加物を含むことができる。添加物の混合物を用いることができる。このような添加物は、組成物を製造するための構成成分を混合する間の適当な時期に、混合することができる。1または複数種の添加物が熱可塑性組成物に含まれることにより、熱可塑性組成物およびこれらの組成物から製造される任意の成形品に、1または複数の選択された特性が付与される。本発明において含むことができる添加物の例として、限定されないが、熱安定剤、加工安定剤、抗酸化剤、光安定剤、可塑剤、帯電防止剤、離型剤、UV吸収剤、潤滑剤、顔料、染料、着色剤、流動促進剤またはこれらの添加物の1もしくは複数の組合せが挙げられる。]
[0045] 好適な熱安定剤として、例えば、オルガノホスファイト、例えばトリフェニルホスファイト、トリス−(2,6−ジメチルフェニル)ホスファイト、トリス−(モノおよびジ混合ノニルフェニル)ホスファイトなど;ホスホネート、例えばジメチルベンゼンホスホネートなど、ホスフェート、例えばトリメチルホスフェートなど、またはこれらの熱安定剤の少なくとも1種を含む組合せが挙げられる。熱安定剤の使用量は、あらゆる充填剤を除いた全組成物100重量部を基準にして、一般に0.01〜0.5重量部である。]
[0046] 好適な抗酸化剤として、例えば、オルガノホスファイト、例えばトリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトなど;アルキル化モノフェノールまたはポリフェノール;ポリフェノールとジエンとのアルキル化反応生成物、例えばテトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタンなど;パラクレゾールまたはジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物;アルキル化ハイドロキノン;ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル;アルキリデンビスフェノール;ベンジル化合物;β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステル;β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステル;チオアルキルまたはチオアリール化合物のエステル、例えばジステアリルチオプロピオネート、ジラウリルチオプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなど;β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸などのアミド、またはこれらの抗酸化剤の少なくとも1種を含む組合せが挙げられる。抗酸化剤の使用量は、あらゆる充填剤を除いた全組成物100重量部を基準にして、一般に0.01〜0.5重量部である。]
[0047] 好適な光安定剤として、例えば、ベンゾトリアゾール、例えば2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾールおよび2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなど、またはこれらの光安定剤の少なくとも1種を含む組合せが挙げられる。光安定剤の使用量は、あらゆる充填剤を除いた全組成物100重量部を基準にして、一般に0.1〜1.0重量部である。]
[0048] 好適な可塑剤として、例えば、フタル酸エステル、例えばジオクチル−4,5−エポキシヘキサヒドロフタレート、トリス−(オクトキシカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリステアリン、エポキシ化大豆油など、またはこれらの可塑剤の少なくとも1種を含む組合せが挙げられる。可塑剤の使用量は、あらゆる充填剤を除いた全組成物100重量部を基準にして、一般に0.5〜3.0重量部である。]
[0049] 好適な帯電防止剤として、例えば、グリセロールモノステアレート、ステアリルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど、またはこれらの帯電防止剤の組合せが挙げられる。一実施形態において、炭素繊維、カーボンナノ繊維、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、またはこれらの任意の組合せを、化学的帯電防止剤を含有するポリマー樹脂に用いて、組成物を静電散逸性にすることができる。]
[0050] 好適な離型剤として、例えば、ステアリル酸金属塩、ステアリン酸ステアリル、ペンタエリスリトールテトラステアレート、蜜蝋、モンタン蝋、パラフィン蝋など、またはこれらの離型剤の少なくとも1種を含む組合せが挙げられる。離型剤の使用量は、あらゆる充填剤を除いた全組成物100重量部を基準にして、一般に0.1〜1.0重量部である。]
[0051] 好適なUV吸収剤として、例えば、ヒドロキシベンゾフェノン;ヒドロキシベンゾトリアゾール;ヒドロキシベンゾトリアジン;シアノアクリレート;シュウ酸アニリド;ベンゾオキサジノン;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール(CYASORB(商標)5411);2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン(CYASORB(商標)531);2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)−フェノール(CYASORB(商標)1164);2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)(CYASORB(商標)UV−3638);1,3−ビス[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス[[(2−シアノ−3、3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル]プロパン(UVINUL(商標)3030);2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン);1,3−ビス[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス[[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル]プロパン;ナノサイズの無機材料、例えば酸化チタン、酸化セリウム、および酸化亜鉛(全て、100nm未満の粒径を有する)など、またはこれらのUV吸収剤の少なくとも1種を含む組合せが挙げられる。UV吸収剤の使用量は、あらゆる充填剤を除いた全組成物100重量部を基準にして、一般に0.01〜3.0重量部である。]
[0052] 好適な潤滑剤として、例えば、脂肪酸エステル、例えばアルキルステアリルエステル、例えば、ステアリン酸メチルなど;ステアリン酸メチルと、ポリエチレングリコールポリマー、ポリプロピレングリコールポリマー、およびこれらのコポリマーを含めた親水性および疎水性の界面活性剤との混合物、例えば、好適な溶媒中のステアリン酸メチルおよびポリエチレン−ポリプロピレングリコールコポリマー;またはこれらの潤滑剤の少なくとも1種を含む組合せが挙げられる。潤滑剤の使用量は、あらゆる充填剤を除いた全組成物100重量部を基準にして、一般に0.1〜5重量部である。]
[0053] 好適な顔料として、例えば、無機顔料、例えば金属酸化物および混合金属酸化物、例えば酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄など;硫化物、例えば硫化亜鉛など;アルミン酸塩;スルホケイ酸ナトリウム;硫酸塩およびクロム酸塩;亜鉛フェライト;ウルトラマリンブルー;ピグメントブラウン24;ピグメントレッド101;ピグメントイエロー119;有機顔料、例えばアゾ、ジアゾ、キナクリドン、ペリレン、ナフタレンテトラカルボン酸、フラバントロン、イソインドリノン、テトラクロロイソインドリノン、アントラキノン、アンタントロン、ジオキサジン、フタロシアニン、およびアゾレーキ;ピグメントブルー60、ピグメントレッド122、ピグメントレッド149、ピグメントレッド177、ピグメントレッド179、ピグメントレッド202、ピグメントバイオレット29、ピグメントブルー15、ピグメントグリーン7、ピグメントイエロー147およびピグメントイエロー150、またはこれらの顔料の少なくとも1種を含む組合せが挙げられる。顔料の使用量は、あらゆる充填剤を除いた全組成物100重量部を基準にして、一般に1〜10重量部である。]
[0054] 好適な染料として、例えば、有機染料、例えばクマリン460(ブルー)、クマリン6(グリーン)、ナイルレッドなど;ランタニド錯体;炭化水素および置換炭化水素染料;多環式芳香族炭化水素;シンチレーション染料(好ましくはオキサゾールおよびオキサジアゾール);アリール−もしくはヘテロアリール置換ポリ(2〜8オレフィン);カルボシアニン染料;フタロシアニン染料および顔料;オキサジン染料;カルボスチリル染料;ポルフィリン染料;アクリジン染料;アントラキノン染料;アリールメタン染料;アゾ染料;ジアゾニウム染料;ニトロ染料;キノンイミン染料;テトラゾリウム染料;チアゾール染料;ペリレン染料、ペリノン染料;ビスベンゾオキサゾリルチオフェン(BBOT);ならびにキサンテン染料;フルオロフォア、例えば、近赤外波長で吸収し、可視波長で発光する反ストロークシフト染料など;発光染料、例えば5−アミノ−9−ジエチルイミノベンゾ(a)フェノキサゾニウムパークロレート;7−アミノ−4−メチルカルボスチリル;7−アミノ−4−メチルクマリン;3−(2’−ベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン;3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン;2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール;2−(4−ビフェニル)−6−フェニルベンゾオキサゾール−1,3;2,5−ビス−(4−ビフェニリル)−1,3,4−オキサジアゾール;2,5−ビス−(4−ビフェニリル)−オキサゾール;4,4’−ビス−(2−ブチルオクチルオキシ)−p−クォーターフェニル;p−ビス(o−メチルスチリル)−ベンゼン;5,9−ジアミノベンゾ(a)フェノキサゾニウムパークロレート;4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン;1,1’−ジエチル−2,2’−カルボシアニンヨージド;3,3’−ジエチル−4,4’,5,5’−ジベンゾチアトリカルボシアニンヨージド;7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン;7−ジエチルアミノ−4−トリフルオロメチルクマリン;2,2’−ジメチル−p−クォーターフェニル;2,2−ジメチル−p−ターフェニル;7−エチルアミノ−6−メチル−4−トリフルオロメチルクマリン;7−エチルアミノ−4−トリフルオロメチルクマリン;ナイルレッド;ローダミン700;オキサジン750;ローダミン800;IR125;IR144;IR140;IR132;IR26;IR5;ジフェニルヘキサトリエン;ジフェニルブタジエン;テトラフェニルブタジエン;ナフタレン;アントラセン;9,10−ジフェニルアントラセン;ピレン;クリセン;ルブレン;コロネン;フェナントレンなど、またはこれらの染料の少なくとも1種を含む組合せが挙げられる。染料の使用量は、あらゆる充填剤を除いた全組成物100重量部を基準にして、一般に0.1〜5重量部である。]
[0055] 好適な着色剤として、例えば、二酸化チタン、アントラキノン、ペリレン、ペリノン、インダントロン、キナクリドン、キサンテン、オキサジン、オキサゾリン、チオキサンテン、インジゴイド、チオインジゴイド、ナフタルイミド、シアニン、キサンテン、メチン、ラクトン、クマリン、ビス−ベンゾオキサゾリルチオフェン(BBOT)、ナフタレンテトラカルボン酸誘導体、モノアゾ顔料およびジアゾ顔料、トリアリールメタン、アミノケトン、ビス(スチリル)ビフェニル誘導体など、ならびにこれらの着色剤の少なくとも1種を含む組合せが挙げられる。着色剤の使用量は、あらゆる充填剤を除いた全組成物100重量部を基準にして、一般に0.1〜5重量部である。]
[0056] 好適な発泡剤として、例えば、低沸点ハロ炭化水素、および二酸化炭素を発生するもの;室温で固体であり、分解温度を超えて加熱されるとガス、例えば窒素、二酸化炭素、アンモニアを発生する発泡剤、例えばアゾジカルボンアミド、アゾジカルボンアミドの金属塩、4,4’オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウムなど、またはこれらの発泡剤の少なくとも1種を含む組合せが挙げられる。発泡剤の使用量は、あらゆる充填剤を除いた全組成物100重量部を基準にして、一般に1〜20重量部である。]
[0057] さらに、低分子量炭化水素樹脂などの、流動性および他の特性を改善する材料を組成物に添加することができる。特に、有用な分類の低分子量炭化水素樹脂は、石油分解法から得られるC5〜C9の不飽和モノマーに由来するC5〜C9の石油原料に由来する樹脂である。非限定例として、オレフィン、例えば、ペンテン、ヘキセン、ヘプテンなど;ジオレフィン、例えば、ペンタジエン、ヘキサジエンなど;環状オレフィンおよびジオレフィン、例えばシクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、メチルシクロペンタジエンなど;環状ジオレフィンジエン、例えば、ジシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン二量体など;ならびに芳香族炭化水素、例えばビニルトルエン、インデン、メチルインデンなどが挙げられる。樹脂を、さらに、部分的または完全に水素化することができる。]
[0058] 本発明の熱可塑性組成物を、1または複数種の充填剤を熱可塑性樹脂に分散させる任意の公知の方法を用いて製造することができる。一実施形態において、熱可塑性樹脂は、押出プロセスを用いて充填剤を熱可塑性樹脂に分散させ得るのに十分な分子量を有する。押出プロセスを用いる場合、プロセス速度が高いほど、充填剤が、概して、熱可塑性樹脂により良好に分散することが見出された。]
[0059] 一実施形態において、高速ミキサーにおいてまず構成成分をブレンドする。このブレンディングは、限定されないが手混合を含めた他の低剪断プロセスによって達成することもできる。次いで、混合物を、ホッパーを介して二軸スクリュー押出機のスロートに供給する。あるいは、1または複数種の構成成分を、サイドスタッファを通してスロートおよび/または下流側で押出機内に直接供給することによって組成物中に混入させることができる。このような添加物を、所望のポリマー樹脂と配合してマスターバッチとし、押出機内に供給することもできる。押出機は、通常、組成物の流動を引き起こすのに必要な温度よりも高い温度で操作される。押出物を水浴中において直ちに冷却し、ペレット化する。押出物の切断の際にこのように調製されるペレットは、所望により1/4インチ以下の長さとされる。これらのペレットは、その後に行われる、成形、造形、または製造に用いることができる。]
[0060] 熱可塑性組成物を含む造形品、製造品、または成形品も提供される。物品を製造するための種々の手段、例えば射出成形、押出成形、回転成形、ブロー成形および熱成形によって、熱可塑性組成物を有用な造形品に成形することができる。物品は、静電塗装され得ることならびに優れた物性を提供できることから、種々の電子的用途および自動車用途ならびに他の用途において金属代用品として特に有用である。]
[0061] 本発明の組成物を用いて製造することができる物品の例として、限定されないが、モニター用ハウジングなどのコンピュータおよび事務機器ハウジング、携帯電話用ハウジングなどの手持ち電子装置ハウジング、電気コネクタ、および照明器具、装飾品、家庭電化製品、屋根、温室、サンルーム、スイミングプールの囲いの部材などが挙げられる。上記組成物は、最小肉厚がわずか0.1mm、0.5mm、1.0mm、または2.0mm(それぞれ±10%)である物品の製造に特に有用であるが、肉厚が小さいことにより、難燃性に影響を及ぼす可能性がある。上記組成物はまた、最小肉厚が2.25〜2.90mm(それぞれ±10%)、代替の実施形態においては2.4〜2.75mm(それぞれ±10%)、別の実施形態においては2.40〜2.60mm(それぞれ±10%)である物品の製造においても特に有用である。最小肉厚が2.25〜2.50mm(それぞれ±10%)であるものを製造することもできる。]
[0062] 本発明を以下の非限定的な例によってさらに説明する。
例]
[0063] 第1の例において、典型的な耐衝撃性が高いポリカーボネート(PC)配合物を製造し、表1の欄1に示す。この配合物の2つの有利な特性は、強靱性および良好な成形性である。成形性は、300℃/2.16kgで測定されたMVRの値27cm3/10分で示される。強靱性は、ノッチ付およびノッチなしのアイゾッド衝撃強度の値が高いことだけでなく、カスタマイズされた衝撃試験に合格することによって示される。この試験は、重さ0.5kg、直径50mmの金属球を成形プラーク上に2.15mの高さから落下させる工程を含む。プラークの寸法は、200×200×4mmである。プラークを製造する材料に、割れ目または破壊が観察されない場合、試験は合格である。]
[0064] 表1の配合物1と同じレベルの強靱性を示すが、耐燃性でもあり(すなわち、厚さ3mmでUL94規格V−0等級を有する)、かつ臭素および塩素の使用を制限する規制にも適合する材料を得ることは困難である。例えば、Makrolon8345、PANLITEGN3600、およびXANTAR G6Fなどのいくつかの市販のガラス補強されたPC材料は、3mmでUL−94規格V−0であるが、上記の落球による強靱性試験に合格しない。また、表1の配合物4は、PCとガラス30%とをベースとし、3.00でV−0等級であり、臭素および塩素を含まないが、上記の落球試験に合格しない。実際、この配合物は、表1の配合物番号1に比べて、ノッチなしおよびノッチ付の両方のアイゾッド衝撃強度の値がかなり低く、結果として強靱性がより低くなっている。]
[0065] 表1の配合物番号1の燃焼性を低下させる1つの方法は、表1の配合物番号4に存在する難燃剤パッケージを用いることである。この難燃剤パッケージは、RM塩、PTFEおよびタルクを含有する。しかし、タルクは、表1の配合物4および1のノッチ付およびノッチなしの衝撃値の比較から証明できるように、強靱性に悪影響を及ぼす。RM塩0.05%およびPTFE0.5%を加えた表1の配合物2は、ノッチ付およびノッチなしの両方において依然として基本的に同じレベルのアイゾッド衝撃強度であっても、配合物のUL94規格の可燃性等級は一貫して改善されず、3mmで依然としてV−1のままであった。また、RM塩およびPTFEの添加により、欄2の配合物のMVR(300℃/2.16kg)は7.3cm3/10分であり、表1の欄1で報告されている配合物に比べて低いことも明らかである。実際、PTFEおよびRMは、両方とも、粘度を増大させ、そして成形性を低下させることが公知である。この理由のために、これら2種の成分を添加できる割合は、良好な成形性が望まれる場合には、限定される。]
[0066] 表1の配合物2の燃焼性等級は、カーボンブラック0.25%をマスターバッチ(CB50%およびEVA50%を含有する)の形態で添加したとき改善された。実際、表1の欄3の配合物は表1の配合物2に基本的に類似しており、唯一の相違点は、カーボンブラックマスターバッチ0.50%を添加したことであった。CBマスターバッチの存在により、配合物2における3mmでのV−1から、表1の配合物3における3mmでのV−0へと、UL−94等級の大幅な改善が結果として得られた。この結果は、CBとスルホン酸塩とPTFEとの間に相乗作用が存在することを示した。スルホン酸塩およびPTFEとCBとを共存させることによって、厚さ3mmでの断固一貫したV0等級と、改善された耐衝撃性および良好な成形性とを同時に有する最終化合物が得られるようになった。注目すべきはこれらが驚くべき結果であるということである。初めは、CBマスターバッチの添加は表1の欄3に報告されている配合物に黒色を与えることを意図していた。また、表1の配合物3が上記の落球試験に合格したということも重要である。表1に報告され、保険業者研究所UL94試験方法によって試験された配合物1〜4の詳細な燃焼時間を表2に示した。通常5個のバーの代わりに20個のバーを試験した。データを統計的方法によって分析して、燃焼時間のデータおよび観察された液滴数を初回合格率、すなわちp(FTP)の予想に変換した。初回合格とは、特定の試料配合物が、5個のバーによる従来のUL94試験においてV0等級「合格」を達成することである。p(FTP)は、UL試験において最高の難燃性能を示すものについては、可能な限り1に近い値となる。表2で報告されている4個の配合物のUL試験の間に液滴が観察されなかったことに注意されたい。表2に報告されている配合物1および2のデータを、配合物3について対応するデータと比較すると、CB、RM塩およびPTFEを同時に含有する後者は、断固一貫してV0であり、p(FTP)は1.00に等しく、試験した20個の試験片全てについて一貫してV0等級であったことが明らかである。CBのみを含有する配合物1、およびRM塩とカブセル化PTFEのみを含有する配合物2は、p(FTP)がそれぞれ0.701および0.018であり、試験した20個の試験片全てについて一貫してV0等級であったことはないことを示している。]
[0067] カーボンブラックの量を増大することにより、化合物の燃焼特性を改善することができる。表3の配合物番号2と3とを比較すると、CBマスターバッチ0.5%を含有する配合物2では1.5mmでV−1であるが、CBマスターバッチ1.5%を含有する配合物3では1.5mmでV−0であることが分かる。表3に報告され、保険業者研究所UL94試験方法によって試験された配合物1〜3の詳細な燃焼時間を表4に示した。通常5個のバーの代わりに厚さ1.5mmの20個のバーを試験した。表2について先に説明したように、データを統計的方法によって分析して、燃焼時間のデータおよび観察された液滴数を初回合格率、すなわちp(FTP)の予想に変換した。初回合格とは、特定の試料配合物が、5個のバーによる従来のUL94試験においてV0等級「合格」を達成することである。好ましくは、p(FTP)は、UL試験において最高の難燃性能を示すものについては、可能な限り1に近い値となる。表4で報告されている4個の配合物のUL試験の間に液滴が観察されなかったことに注意されたい。]
[0068] さらに注目すべきは、カーボンブラックの種類が変更されたときにも先に示した相乗効果が有効であるということである。実際に、PLASBLAKEV1755BLKおよびPVB125は、黒色着色剤として販売されている2種類の異なる市販のマスターバッチであり、両方ともCB50%およびEVA50を含有する。しかしながら、CB粒径の平均寸法が異なる:PVB125の平均CB粒径は20nmであるが、PLASBLAK EV1755BLKの平均粒径は60nmである。表3に報告されている配合物1および2の比較から分かるように、UL94性能は実質的に同等であった。]
[0069] 上記例から分かるように、一実施形態において、熱可塑性組成物は、熱可塑性樹脂30〜99重量%;スルホン酸塩を含む非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ10%以下;およびカーボンブラック、黒鉛、膨脹黒鉛、カーボンナノチューブ、またはこれらの炭素含有相乗剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される炭素含有相乗剤0.05〜10重量%を含み、熱可塑性組成物の成形試料が、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ3.0mmで燃焼等級V0を達成でき、該組成物は、ISO180によって測定されるノッチなしアイゾッド衝撃強度が、該熱可塑性樹脂および該炭素含有相乗剤を含みかつ難燃剤パッケージを含まない組成物の衝撃強度の少なくとも90%である。]
[0070] 別の実施形態において、熱可塑性組成物は、ポリカーボネートまたはポリカーボネート樹脂混合物である熱可塑性樹脂30〜99重量%;スルホン酸塩を含む非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ10%以下;およびカーボンブラック、黒鉛、膨脹黒鉛、カーボンナノチューブ、またはこれらの炭素含有相乗剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される炭素含有相乗剤0.05〜10重量%を含み、熱可塑性組成物の成形試料が、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ3.0mmで燃焼等級V0を達成でき、該組成物は、ISO180によって測定されるノッチなしアイゾッド衝撃強度が、該熱可塑性樹脂および該炭素含有相乗剤を含みかつ難燃剤パッケージを含まない組成物の衝撃強度の少なくとも90%である。]
[0071] 更に別の実施形態において、熱可塑性組成物は、ポリカーボネートまたはポリカーボネート樹脂混合物である熱可塑性樹脂30〜99重量%;スルホン酸塩を含む非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ10%以下;およびカーボンブラック、黒鉛、膨脹黒鉛、カーボンナノチューブ、またはこれらの炭素含有相乗剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される炭素含有相乗剤0.05〜10重量%を含み、熱可塑性組成物の成形試料が、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ3.0mmで燃焼等級V0を達成でき、該組成物は、ISO180によって測定されるノッチなしアイゾッド衝撃強度が、該熱可塑性樹脂および該炭素含有相乗剤を含みかつ難燃剤パッケージを含まない組成物の衝撃強度の少なくとも90%であり、ここで、難燃剤パッケージが、タルク、PTFE、またはタルクおよびPTFEの両方を含む組合せをさらに含む。]
[0072] 更に別の実施形態において、熱可塑性組成物は、熱可塑性樹脂30〜99重量%;スルホン酸塩を含む非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ10%以下;およびカーボンブラック、黒鉛、膨脹黒鉛、カーボンナノチューブ、またはこれらの炭素含有相乗剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される炭素含有相乗剤0.05〜10重量%を含み、熱可塑性組成物の成形試料が、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ3.0mmで燃焼等級V0を達成でき、該組成物は、ISO180によって測定されるノッチなしアイゾッド衝撃強度が、該熱可塑性樹脂および該炭素含有相乗剤を含みかつ難燃剤パッケージを含まない組成物の衝撃強度の少なくとも90%であり;ここで、熱可塑性組成物は、補強充填剤10〜60重量%をさらに含む。]
[0073] 別の実施形態において、熱可塑性組成物は、ポリカーボネートまたはポリカーボネート樹脂混合物である熱可塑性樹脂30〜99重量%;スルホン酸塩を含む非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ10%以下;およびカーボンブラック、黒鉛、膨脹黒鉛、カーボンナノチューブ、またはこれらの炭素含有相乗剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される炭素含有相乗剤0.05〜10重量%を含み、熱可塑性組成物の成形試料が、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ3.0mmで燃焼等級V0を達成でき、該組成物は、ISO180によって測定されるノッチなしアイゾッド衝撃強度が、該熱可塑性樹脂および該炭素含有相乗剤を含みかつ難燃剤パッケージを含まない組成物の衝撃強度の少なくとも90%であり;ここで、熱可塑性組成物は、補強充填剤10〜60重量%をさらに含む。]
[0074] 更に別の実施形態において、熱可塑性組成物は、熱可塑性樹脂30〜99重量%;スルホン酸塩を含む非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ10%以下;およびカーボンブラック、黒鉛、膨脹黒鉛、カーボンナノチューブ、またはこれらの炭素含有相乗剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される炭素含有相乗剤0.05〜10重量%を含み、熱可塑性組成物の成形試料が、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ3.0mmで燃焼等級V0を達成でき、該組成物は、ISO180によって測定されるノッチなしアイゾッド衝撃強度が、該熱可塑性樹脂および該炭素含有相乗剤を含みかつ難燃剤パッケージを含まない組成物の衝撃強度の少なくとも90%であり;ここで、該熱可塑性組成物は、補強充填剤10〜60重量%をさらに含み;ここで、補強充填剤が、ガラス繊維、か焼クレー、タルク、珪灰石、硫酸バリウム、マイカ、チタン酸バリウム、ケイ酸塩、ゼオライト、シリカ、ガラス粉末、ガラスセラミック粉末、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、スズ酸亜鉛、水酸基スズ酸亜鉛、リン酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、硫化亜鉛、リン酸アルミニウム、赤リン、Be、Ca、Sr、BaおよびRaの金属炭酸塩、またはこれらの補強充填剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される。]
[0075] 別の実施形態において、熱可塑性組成物は、ポリカーボネートまたはポリカーボネート樹脂混合物である熱可塑性樹脂30〜99重量%;スルホン酸塩を含む非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ10%以下;およびカーボンブラック、黒鉛、膨脹黒鉛、カーボンナノチューブ、またはこれらの炭素含有相乗剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される炭素含有相乗剤0.05〜10重量%を含み、熱可塑性組成物の成形試料が、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ3.0mmで燃焼等級V0を達成でき、該組成物は、ISO180によって測定されるノッチなしアイゾッド衝撃強度が、該熱可塑性樹脂および該炭素含有相乗剤を含みかつ難燃剤パッケージを含まない組成物の衝撃強度の少なくとも90%であり;ここで、熱可塑性組成物は、補強充填剤10〜60重量%をさらに含み;ここで、補強充填剤が、ガラス繊維、か焼クレー、タルク、珪灰石、硫酸バリウム、マイカ、チタン酸バリウム、ケイ酸塩、ゼオライト、シリカ、ガラス粉末、ガラスセラミック粉末、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、スズ酸亜鉛、水酸基スズ酸亜鉛、リン酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、硫化亜鉛、リン酸アルミニウム、赤リン、Be、Ca、Sr、BaおよびRaの金属炭酸塩、またはこれらの補強充填剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される。]
[0076] 一実施形態において、熱可塑性組成物を製造する方法は、熱可塑性樹脂30〜99重量%;スルホン酸塩を含む非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ10%以下;およびカーボンブラック、黒鉛、膨脹黒鉛、カーボンナノチューブ、またはこれらの炭素含有相乗剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される炭素含有相乗剤0.05〜10重量%をブレンドする工程を含み;熱可塑性組成物の成形試料が、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ3.0mmで燃焼等級V0を達成でき、該組成物のISO180によって測定されノッチなしアイゾッド衝撃強度が、該熱可塑性樹脂および該炭素含有相乗剤を含みかつ難燃剤パッケージを含まない組成物の衝撃強度の少なくとも90%である。]
[0077] 別の実施形態において、熱可塑性組成物を製造する方法は、ポリカーボネートまたはポリカーボネート樹脂混合物から選択される熱可塑性樹脂30〜99重量%;スルホン酸塩を含む非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ10%以下;およびカーボンブラック、黒鉛、膨脹黒鉛、カーボンナノチューブ、またはこれらの炭素含有相乗剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される炭素含有相乗剤0.05〜10重量%をブレンドする工程を含み;熱可塑性組成物の成形試料が、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ3.0mmで燃焼等級V0を達成でき、該組成物のISO180によって測定されるノッチなしアイゾッド衝撃強度が、該熱可塑性樹脂および該炭素含有相乗剤を含みかつ難燃剤パッケージを含まない組成物の衝撃強度の少なくとも90%である。]
[0078] 別の実施形態において、熱可塑性組成物を製造する方法は、熱可塑性樹脂30〜99重量%;スルホン酸塩を含む非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ10%以下;およびカーボンブラック、黒鉛、膨脹黒鉛、カーボンナノチューブ、またはこれらの炭素含有相乗剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される炭素含有相乗剤0.05〜10重量%をブレンドする工程を含み;熱可塑性組成物の成形試料が、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ3.0mmで燃焼等級V0を達成でき、該組成物のISO180によって測定されるノッチなしアイゾッド衝撃強度が、該熱可塑性樹脂および該炭素含有相乗剤を含みかつ難燃剤パッケージを含まない組成物の衝撃強度の少なくとも90%であり;ここで、難燃剤パッケージが、タルク、PTFE、またはタルクおよびPTFEの両方を含む組合せをさらに含む。]
[0079] 更に別の実施形態において、熱可塑性組成物を製造する方法は、ポリカーボネートまたはポリカーボネート樹脂混合物から選択される熱可塑性樹脂30〜99重量%;スルホン酸塩を含む非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ10%以下;およびカーボンブラック、黒鉛、膨脹黒鉛、カーボンナノチューブ、またはこれらの炭素含有相乗剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される炭素含有相乗剤0.05〜10重量%をブレンドする工程を含み;熱可塑性組成物の成形試料が、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ3.0mmで燃焼等級V0を達成でき、該組成物のISO180によって測定されるノッチなしアイゾッド衝撃強度が、該熱可塑性樹脂および該炭素含有相乗剤を含みかつ難燃剤パッケージを含まない組成物の衝撃強度の少なくとも90%であり;ここで、難燃剤パッケージが、タルク、PTFE、またはタルクおよびPTFEの両方を含む組合せをさらに含む。]
[0080] 別の実施形態において、熱可塑性組成物を製造する方法は、熱可塑性樹脂30〜99重量%;スルホン酸塩を含む非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ10%以下;およびカーボンブラック、黒鉛、膨脹黒鉛、カーボンナノチューブ、またはこれらの炭素含有相乗剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される炭素含有相乗剤0.05〜10重量%をブレンドする工程を含み;熱可塑性組成物の成形試料が、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ3.0mmで燃焼等級V0を達成でき、該組成物のISO180によって測定されるノッチなしアイゾッド衝撃強度が、該熱可塑性樹脂および該炭素含有相乗剤を含みかつ難燃剤パッケージを含まない組成物の衝撃強度の少なくとも90%であり;ここで、熱可塑性組成物は、補強充填剤10〜60重量%をさらに含む。]
[0081] 別の実施形態において、熱可塑性組成物を製造する方法は、ポリカーボネートまたはポリカーボネート樹脂混合物から選択される熱可塑性樹脂30〜99重量%;スルホン酸塩を含む非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ10%以下;およびカーボンブラック、黒鉛、膨脹黒鉛、カーボンナノチューブ、またはこれらの炭素含有相乗剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される炭素含有相乗剤0.05〜10重量%をブレンドする工程を含み;熱可塑性組成物の成形試料が、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ3.0mmで燃焼等級V0を達成でき、該組成物のISO180によって測定されるノッチなしアイゾッド衝撃強度が、該熱可塑性樹脂および該炭素含有相乗剤を含みかつ難燃剤パッケージを含まない組成物の衝撃強度の少なくとも90%であり;ここで、熱可塑性組成物は、補強充填剤10〜60重量%をさらに含む。]
[0082] 一実施形態において、熱可塑性組成物を製造する方法は、熱可塑性樹脂30〜99重量%;スルホン酸塩を含む非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ10%以下;およびカーボンブラック、黒鉛、膨脹黒鉛、カーボンナノチューブ、またはこれらの炭素含有相乗剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される炭素含有相乗剤0.05〜10重量%をブレンドする工程を含み;熱可塑性組成物の成形試料が、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ3.0mmで燃焼等級V0を達成でき、該組成物のISO180によって測定されるノッチなしアイゾッド衝撃強度が、該熱可塑性樹脂および該炭素含有相乗剤を含みかつ難燃剤パッケージを含まない組成物の衝撃強度の少なくとも90%であり;補強充填剤が、ガラス繊維、か焼クレー、タルク、珪灰石、硫酸バリウム、マイカ、チタン酸バリウム、ケイ酸塩、ゼオライト、シリカ、ガラス粉末、ガラスセラミック粉末、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、スズ酸亜鉛、水酸基スズ酸亜鉛、リン酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、硫化亜鉛、リン酸アルミニウム、赤リン、Be、Ca、Sr、BaおよびRaの金属炭酸塩、またはこれらの補強充填剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される。]
[0083] 別の実施形態において、熱可塑性組成物を製造する方法は、ポリカーボネートまたはポリカーボネート樹脂混合物から選択される熱可塑性樹脂30〜99重量%;スルホン酸塩を含む非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ10%以下;およびカーボンブラック、黒鉛、膨脹黒鉛、カーボンナノチューブ、またはこれらの炭素含有相乗剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される炭素含有相乗剤0.05〜10重量%をブレンドする工程を含み;熱可塑性組成物の成形試料が、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ3.0mmで燃焼等級V0を達成でき、該組成物のISO180によって測定されるノッチなしアイゾッド衝撃強度が、該熱可塑性樹脂および該炭素含有相乗剤を含みかつ難燃剤パッケージを含まない組成物の衝撃強度の少なくとも90%であり;補強充填剤が、ガラス繊維、か焼クレー、タルク、珪灰石、硫酸バリウム、マイカ、チタン酸バリウム、ケイ酸塩、ゼオライト、シリカ、ガラス粉末、ガラスセラミック粉末、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、スズ酸亜鉛、水酸基スズ酸亜鉛、リン酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、硫化亜鉛、リン酸アルミニウム、赤リン、Be、Ca、Sr、BaおよびRaの金属炭酸塩、またはこれらの補強充填剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される。]
実施例

[0084] 典型的な実施形態を説明目的で記載したが、上記は本発明の範囲を限定するものと見なされてはならない。したがって、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、当業者によって種々の改変、変形および変更がなされ得る。]
权利要求:

請求項1
a)熱可塑性樹脂30〜99重量%;b)スルホン酸塩を含む、非臭素化且つ非塩素化の難燃剤パッケージ10%以下;およびc)カーボンブラック、黒鉛、膨脹黒鉛、カーボンナノチューブ、またはこれらの炭素含有相乗剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される炭素含有相乗剤0.05〜10重量%;を含む熱可塑性組成物であって、その成形試料が、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ3.0mmで燃焼等級V0を達成できる熱可塑性組成物。
請求項2
ISO180によって測定されるノッチなしアイゾッド衝撃強度が、前記熱可塑性樹脂および前記炭素含有相乗剤を含みかつ前記難燃剤パッケージを含まない組成物の衝撃強度の少なくとも90%である、請求項1に記載の熱可塑性組成物。
請求項3
熱可塑性樹脂が、ポリカーボネートまたはポリカーボネート樹脂混合物から選択される、請求項1または2に記載の熱可塑性組成物。
請求項4
難燃剤パッケージが、タルク、PTFE、またはタルクおよびPTFEの両方を含む組合せをさらに含む、請求項1または2に記載の熱可塑性組成物。
請求項5
補強充填剤10〜60重量%をさらに含む、請求項1または2に記載の熱可塑性組成物。
請求項6
補強充填剤が、ガラス繊維、か焼クレー、タルク、珪灰石、硫酸バリウム、マイカ、チタン酸バリウム、ケイ酸塩、ゼオライト、シリカ、ガラス粉末、ガラス−セラミック粉末、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、スズ酸亜鉛、水酸基スズ酸亜鉛、リン酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、硫化亜鉛、リン酸アルミニウム、赤リン、Be、Ca、Sr、BaおよびRaの金属炭酸塩、またはこれらの補強性充填剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される、請求項5に記載の熱可塑性組成物。
請求項7
請求項1の組成物を含む製品。
請求項8
熱可塑性組成物を製造する方法であって:a)熱可塑性樹脂30〜99重量%;b)スルホン酸塩を含む、非臭素化かつ非塩素化の難燃剤パッケージ10%以下;およびc)カーボンブラック、黒鉛、膨脹黒鉛、カーボンナノチューブ、またはこれらの炭素含有相乗剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される炭素含有相乗剤0.05〜10重量%をブレンドする工程を含み、熱可塑性組成物の成形試料が、UL94規格にしたがって試験されるとき、厚さ3.0mmで燃焼等級V0を達成できる方法。
請求項9
前記組成物のISO180によって測定されるノッチなしアイゾッド衝撃強度が、前記熱可塑性樹脂および前記炭素含有相乗剤を含みかつ難燃剤パッケージを含まない組成物の衝撃強度の少なくとも90%である、請求項8に記載の方法。
請求項10
熱可塑性樹脂が、ポリカーボネートまたはポリカーボネート樹脂混合物から選択される、請求項8または9に記載の方法。
請求項11
難燃剤パッケージが、タルク、PTFE、またはタルクおよびPTFEの両方を含む組合せをさらに含む、請求項8または9に記載の方法。
請求項12
補強充填剤10〜60重量%をさらに含む、請求項8または9に記載の方法。
請求項13
補強充填剤が、ガラス繊維、か焼クレー、タルク、珪灰石、硫酸バリウム、マイカ、チタン酸バリウム、ケイ酸塩、ゼオライト、シリカ、ガラス粉末、ガラス−セラミック粉末、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、スズ酸亜鉛、水酸基スズ酸亜鉛、リン酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、硫化亜鉛、リン酸アルミニウム、赤リン、Be、Ca、Sr、BaおよびRaの金属炭酸塩、またはこれらの補強充填剤の少なくとも1種を含む組合せから選択される、請求項12に記載の方法。
請求項14
炭素含有相乗剤がカーボンブラックであり、該カーボンブラックがマスターバッチの一部として添加される、請求項8に記載の方法。
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公开号 | 公开日 | 专利标题
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同族专利:
公开号 | 公开日
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